せいしんのタマシイ

俺の頭の中

輝く瞳、スターへの挑戦。『アイカツ!35話「涙の星」』感想

まず私がこの『アイカツ!』というアニメを一気見するに至った経緯からですが、正直あんまり覚えていません。ですがおすすめしてきた人はわかります。その人は以前にも私に『マッドマックス怒りのデス・ロード』、『天元突破グレンラガン』、『キルラキル』、『HiGH&LOW』シリーズをおすすめしていただき、私の人生の方向性を完全に決めていただきました。そして今回『アイカツ!』を通っている真っ最中、また新たな「血液」が全身を駆け巡っております。まずその方に感謝を。ありがとう、「シーチキン男」。

 

 

 

 

この中でまだ観てない作品が一つでもあるのなら、あなたはまだこの世界に存在していません。誕生しましょう

 

話はアイカツ!に戻ります

とは言っても、私はアイカツ!に関して、完全に初見ではありませんでした

当時2013年、小学生の私は、妹が観ている隣でぼんやりとこの作品を観ていた記憶が確かにあります。しかし内容はまともに覚えておらず、服がカードになっていることと「霧矢あおい」がいたことくらいしか覚えていませんでした。

今考えると恐ろしいですが、私は小学生にして霧矢あおいに出会っていたのです。あんなにも「恋」の擬人化のような人間に10年も生きていない時に出会ってしまったら……唯一覚えているキャラだったのも納得ですね

そうやって観ていたアイカツ!も35話、アイカツ!はとてつもなく長く続いたアニメなので、全話観ようと思ったら日常にアイカツ!を取り入れるしかありません。そうしないとキリが無いからです。そうまでして観ていたアニメを35話で止めていいのか。時間がもったいないのではないか。そう思う人は今すぐアイカツ!を観てください。35話で絶対止まります。

そもそもこの35話は33話「チャンス&トライ」から続く「神崎美月オーディション三部作」の最終話になります(神崎美月~三部作は私が勝手に命名しました)

33話冒頭にて、主人公、星宮いちご含めみんなの憧れ、神崎美月が3人組の新ユニットを組むことを発表し、さらにそのユニットに入る他メンバーを主人公たちの通うスターライト学園の生徒から選ぶことを発表したのです。

これは穏やかじゃありません

 

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スターライト学園の生徒たちは特訓に励みます。普段吸血鬼キャラで通しており、日光が天敵で、普段は外で走らないようにしていた藤堂ユリカ様も日傘を差して走っています。

さらにはその様子を普段全日制地下アイドルとして活躍している三ノ輪ひかりまで観に来て、今回のオーディションがただ者ではない雰囲気がビシビシ伝わってきます

そしてオーディションが始まります。しかしこのオーディションのシーン、かなりおもしろでしたね。「こんなものなの?!」、頭から離れません。しかしオーディションはシビアな物で、自分のキャラを貫こうとしたユリカ様がここで脱落してしまいます。ぱっと見の絵面としてはおもしろおふざけ運動会でちゃんとメインキャラから脱落者が出たり、そこに理由がつけられるのも考えられすぎていて思わずこちらも姿勢を正しました。

そして今回のオーディションで残ったのは以前美月さんとチームでオーディションを受けたことがある三人組と主人公の仲良し三人組(いちごちゃん、あおいさん、蘭さん)………

 

と思ったら、なんと空から新たなキャラが登場します。彼女の名前は一ノ瀬かえで、アメリカで活躍するアイドル。なんとオーディションの大運動会を、それも大規模になったアメリカンバージョンを自分で勝手にやってそれを突破したイカレ女

しかし実力は本物で、ファイナルオーディションでは一人だけ、神崎美月の新ユニット、「トライスター」の新メンバーに選ばれます。

そして残りの一人を決めるため、主人公三人組だけで、「今度こそファイナルオーディション」をすることになりました。

そしてその「今度こそファイナルオーディション」が35話になります。

 

 

三人は特別に用意された部屋で、それぞれ別々に泊まります。

連絡手段も没収され、完全に一人の状態。

そして一人ずつ呼び出され、行われるのは………

なんと面接です

そして自分たちが「トライスター」に入ってどのように活躍できるかを聞かれ、いちごは他のメンバーの特徴を見て、自分は「太陽」のようにいつでも輝き続けるとアピールし(これもちゃんと美月さんに事前にもらっていたアドバイスの引用というのが「おっ」と思わせました)、あおいは自分のアイドル知識をすべて捧げて「トライスター」を輝かせるとアピールし、蘭は幼い頃から芸能界で生きてきたことから、誰とステージに上がったとしても自分は自分として輝く、と宣言しました。

面接が終わり、ステージでのオーディションまでの合間に、いちごたちは特大ホットケーキを自分たちで作って食べます。「トライスター」に選ばれたら、忙しいどころではないほどの仕事に追われ、三人で集まるどころではなくなってしまう。この時間が終わったらしばらく会えなくなる三人の、最後の時間はおやつタイムでした。コラボカフェとかでこのクソデカホットケーキ出されたら泣いちゃう……

さっきまで楽しそうに食べていた三人が呼び出しの放送で自分を見つめ、覚悟を決めた表情になるのが本当につらくて………小学生の頃、友達と公園で遊んでいた時の「5時」のような、さっきまでのハイテンションが嘘だったかのようにしぼみ、今はただやらなきゃいけないことがある。あの感覚を思い出しました

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オーディションの結果、選ばれたのは

 

紫吹蘭でした

 

オーディション直後の記者会見に向かう車に乗る直前、蘭は二人の名前を呼びます。そのときの表情が必死そのもので……

ここからのシーン、すべてが美しい。普段強気な蘭ががらにもなく、ホットケーキが美味しかったと告げる。アイドル博士のあおいが「らしくない」と突っ込む。蘭が親友との別れは二度目だからしょうがないと言い訳をする(確か蘭の強気キャラってこの別れが原因の一つだったよね)。涙をこらえて、蘭を送り出す二人……

 

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やっべえ

 

 

 

 

 

 

 

 

私は最初、トライスターにはてっきりいちごが選ばれるものと思っていて、「新章開幕かぁ」などとのんきに構えていました(33話冒頭の夢といい)。しかし実際には選ばれたのは蘭。全くもって妥当な結果です。トップアイドルの隣に立つのは芸能歴が一番長く、美月さんも言っていたとおり自分一人の輝きを持つ蘭が一番ふさわしい。

主人公だからといって千載一遇のチャンスを手に入れることができるとは限らない。おそらくそういう所に、アイドルになること、芸能界で生きていくことの厳しさがあるのでしょう。初登場時はツンツンしていて、あおいと仲良くアイドル活動をしていたいちごに対して厳しい態度を示していた蘭が、他ならない「結果」で、また同じことをいちごに教える。どこまでも「強い」人です。紫吹蘭。

しかし改めて言いたい。ホットケーキを食べていたときに放送が流れる瞬間。あんなに切ないシーンがあるでしょうか。憧れの美月さんと同じユニットを組める最後のオーディション、いちごちゃんのおかげで緊張がほぐれていたときでもあの空気の変わりよう。選ばれるのは一人だけ、一人は確実に選ばれてしまう。そんな残酷な夢を叶える覚悟の表情。 

つらい。でもうれしい